50代の家庭では定年後の生活が、現実的に感じられるようになる時期ですね。
「うちの貯金は足りてるのかな?」「このまま老後に突入して大丈夫かしら?」「みんなはいくらぐらいあるの?」そんなふうに感じること、ありますよね。
この記事では、50代・夫婦世帯のリアルな貯金額や、平均と中央値の違い、さらに老後に必要なお金の考え方まで、わかりやすくご紹介します。
「何から手をつけていいかわからない」そんなあなたも大丈夫。
まずは、自分の生活に合った“貯金の目安”を一緒に見つけていきましょう。
50代夫婦のリアルな貯金額は?


みんな、実際どのくらい貯金しているの?
これってすごく気になりますよね。
調べてみると、J-FLEC(金融経済教育推進機構)では、50代・2人以上世帯の貯金額は以下のような結果になっていました。
【50代・2人以上金融資産保有世帯の貯金額データ】↓
種類 | 金額 |
---|---|
平均額 | 約1,677万円 |
中央値 | 約700万円 |
「平均1,600万円」と聞くとと不安になるかもしれません。
しかし、中央値は700万円前後です。
そして、これは金融資産を持っている世帯の金額です。
【50代・2人以上金融資産を保有していない世帯もふくむ貯金額データ】↓
種類 | 金額 |
---|---|
平均額 | 約1,168万円 |
中央値 | 約250万円 |
こちらは、貯金を持っていない世帯もふくんだ数値です。
平均額も中央値もどちらも、あまり多いとはいえませんよね。
そして、貯金がない50代世代は29.2%もあります。

だからといって安心してはダメですよ。
平均値と中央値では大きな差があります。
それぞれの違いについて、順番に見ていきましょう。
「平均値」と「中央値」ってどう違うの?

「平均は1,677万円」「中央値は700万円」って言われても、「えっ?何が違うの?」ってなりますよね。
実は、この2つは似ているようで、ぜんぜん違う意味なんです。
平均値ってなに?
平均値は、みんなの貯金額を全部足して、人数で割ったものです。
たとえば、5人の貯金がこんな感じだったとします。
Aさん:100万円
Bさん:200万円
Cさん:300万円
Dさん:400万円
Eさん:5,000万円
⭐ 全部足すと 6,000万円
⭐人数は5人
6,000万円 ÷ 5人 = 1,200万円(←これが平均)
でも、AさんやBさんはそんなに持ってませんよね?

すごく貯金が多い人(Eさん)がいると、平均がグッと高くなっちゃうんです。
中央値ってなに?
中央値は、金額を少ない順に並べて、「真ん中の数字」を見る方法です。
さっきと同じ5人なら:
100万、200万、【300万】、400万、5,000万
真ん中は【300万円】、これが中央値です。
中央値は、実際に多くの人が近いと感じる金額のことです。
図にまとめるとこんな感じ↓
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
意味 | 全員の合計を人数で割った数 | 並べたときの真ん中の人の金額 |
特徴 | お金持ちがいると高くなりやすい | 現実に近い“ふつうの感覚” |
どんなときに使うか | 全体のざっくり感を見るとき | 真ん中の数値を知りたいとき |
「中央値」を見ると、現実に近い感覚がつかめますよ♪
※「平均」と「中央値」の違いに注意!
平均は大きく貯めている人も含まれるため高く出がち。
中央値のほうが“実感に近い数字”です。
これからかかるお金を把握しよう

子どもが大学に行ったり、子育てがひと段落したり、親の介護が始まったりと、50代は生活環境が変わります。
そのなかで老後を意識するようになり、「貯金はあるけど、不安が消えない…」という方も多いのではないでしょうか。
50代は、支出が多くなりがちな年代なんです。
では、どんなことにお金がかかるのか見てみましょう。
さらに、60歳以降は収入が減るケースが多いため、「このままで大丈夫?」と不安になるのも無理はありません。
ここで、やみくもに不安にならずに

これから必要になるお金をきちんと把握しておきましょう!
老後に必要な貯金額、実際いくらあれば安心?

「平均はいくら」「中央値はこれくらい」とデータを見ても、やっぱり気になるのは

「実際にどれくらいあれば安心なの?」ということですよね。
2019年にいわれた老後2000万円問題とは
2019年に金融庁の報告書などでは、老後2000万円不足すると言われたことが話題になりました。
なぜ2000万円不足すると言われたかというと、
平均的な高齢夫婦世帯の年金収入は約20.9万円
毎月の支出は約26.3万円
約20.9万円-約26.3万円=毎月約5.5万円の赤字が発生します。
毎月約5.5万円×12ヵ月×30年=1980万円
このように、30年間で約2000万円の資金が必要になると試算されました。
なぜこんなに不足するって話題になったのかは、転職、フリーランスなどで退職金が減っていることや、寿命が延びていることがあるようです。

でも実際には、暮らし方によって必要な金額は大きく変わります。
必要な貯金額を知るには3つのステップで考えてよう!
「老後にいくら必要か…」というのは、実は人によって大きく違います。
生活スタイルや家族構成、持ち家の有無、年金の金額など、人それぞれの状況が違うからです。
- 【生活費の違い】
老後も旅行や外食を楽しみたい人と、できるだけ節約して静かに暮らしたい人では、毎月必要なお金が違います。
たとえば、月20万円で足りる人もいれば、30万円必要な人もいます。 - 【住まいの状況】
持ち家がある人:家賃がかからないので、その分支出が少なくてすみます。
賃貸に住む人:家賃を払い続ける必要があるため、老後の支出は多めになります。 - 【年金の受給額】
自営業だった人は国民年金だけなので、受け取れる金額が少なめ。
会社員や公務員だった人は厚生年金があるため、比較的多くもらえます。 - 【家族構成】
夫婦で暮らす場合と、一人暮らしでは、必要な生活費が変わります。
子どもが同居しているかどうかでも変わってきますね。 - 【医療・介護の必要性】
将来、どれだけ医療や介護が必要になるかは人それぞれ。
病気がちになったり、施設に入る必要が出てきた場合は、その分多くのお金がかかります。
だからこそ、まずは自分の生活に合った金額を知ることが大切です。
以下の3つのステップで、必要な貯金額を見える化してみましょう。
今の生活費を確認しよう!
老後も今と同じような生活を続けたいなら、毎月どのくらいお金を使っているかを把握するのが第一歩です。
例えば:
住宅費、食費、光熱費、通信費、保険料、車の維持費、交際費、趣味など
→ 合計すると、月25万円〜30万円ほどかかっているご家庭も多いです。
最近は、現金ではなくクレジットカードや電子マネー、バーコード決済などで支払うことが多いと思います。
家計簿アプリを使えば、自動で入力されるので楽ちんです。
現金で支払った場合は、手入力できますよ。
収支が表で見やすく、意外な出費に気づくこともあります。
ざっくりでもいいので、毎月いくらあれば生活できるかチェックしてくださいね。
いくらもらえる?年金ネットでチェック
次に、自分が将来受け取る年金額をチェックします。
毎年届く「ねんきん定期便」や、ネットの「ねんきんネット」で確認できます。
例:夫婦2人の場合
月に20万円〜22万円程度の年金が支給されるケースが多いです。
差額から「必要な貯金額」を計算
生活費と年金額の差が、貯金で補うべき金額です。
例:
生活費が月25万円、年金が月20万円 ⇒ 毎月5万円不足
5万円 × 12ヶ月 × 20年 = 1,200万円
さらに、医療費やリフォーム、趣味なども考慮すると余裕があったほうがいいですね。

ポイント:人それぞれ「ちょうどいい金額」は違います!
必要な金額は「住んでいる場所」「持ち家か賃貸か」「家族構成」「趣味の内容」などで変わります。
ですので、「平均額」や「2,000万円問題」などに振り回されず、自分たちのペースで貯めていくことが一番の安心につながります。
まずは、必要な貯金額をしっかり確認して、老後の不安を少しでも解消していきましょう!
まとめ

50代って、ほんとうにお金の悩みが尽きませんよね。
貯金はいくらあっても不安になるし、周りと比べてあせってしまうこともあると思います。
でも、他のご家庭の平均を知ったり、老後に必要なお金をざっくりでも把握しておくと、ちょっと気持ちがラクになるもの。
「うちはうち、できることから始めよう」って思えるようになりました。
これからは、
- ムリなく貯められる家計の見直し
- 老後に備えたちょっとした節約
- ご夫婦で将来の話をする時間
そんなことを少しずつ大切にしていけたらいいですね。
私もまだまだ勉強中ですが、同じ50代主婦として、一緒に前向きにやっていけたらうれしいです!
